ウィンチェスター・ミステリー・ハウス ── アメリカの迷宮邸宅と心霊伝説

ウィンチェスターハウスのイメージ図

アメリカ・カリフォルニア州サンノゼにある「ウィンチェスター・ミステリー・ハウス」は、銃器メーカー創業家の未亡人サラ・ウィンチェスターが、36年にわたり増改築を続けた結果生まれた巨大迷宮邸宅です。160以上の部屋、行き止まりの階段、外に落ちる扉など不可解な構造が心霊現象と結び付けられ、現在も世界的に有名な心霊スポット兼観光地となっています。

1886年、サラ・ウィンチェスターは「夫と娘を銃の呪いで失った」と信じ、霊を鎮めるために大邸宅を建て始めました。設計図はなく、工事は昼夜問わず続き、彼女が亡くなる1922年まで延々と増改築が繰り返されました。

結果としてできあがった邸宅は、160室以上、1万枚の窓、2000の扉、47の暖炉、13のバスルームなど、異常な規模を誇ります。さらに、行き止まりの階段、外に落ちる扉、天井に突き刺さる階段といった不可解な構造が多数残り、オカルトと怪談の象徴となりました。

  • 所在地:525 S. Winchester Blvd, San Jose, CA 95128, USA
  • 最寄り空港:サンノゼ国際空港から車で約15分
  • サンフランシスコから:車で約90分

施設は観光地として一般公開されており、内部を巡るツアーが用意されています。代表的な「マンション・ツアー」は約65分で、ガイド付きで迷宮の内部を探索できます。

1906年サンフランシスコ地震

この大地震により、屋敷の上層部は崩壊し、7階建ての塔が失われました。サラは修復をせず、崩落部分をそのまま放置したため「どこにも通じない階段」「途中で途切れる廊下」が生まれたといわれます。

降霊術の噂

サラは毎晩、降霊術で霊からの指示を受け取り、設計を決めていたと語られます。「霊を迷わせるために迷路のような設計をした」という言説は観光ツアーでも語られますが、一次資料は乏しく、後世の創作性が強いと考えられています。

  • 白い服の女性の霊:廊下や寝室での目撃談が多数。
  • 足音やノック音:無人の部屋から聞こえると報告あり。
  • 窓に写る顔:観光客が撮影した写真に不可解な影が写り込む事例。
  • 冷気と体調不良:特定の部屋に入ると頭痛や吐き気を訴える人もいる。

これらは科学的に証明されていませんが、数多くの体験談が怪談性を強めています。

現在は観光施設として安全管理がされていますが、建物は19世紀の木造建築であり、

  • 狭い階段
  • 急な段差
  • 低い天井
    など物理的な危険があります。

さらに、私有地であるため営業時間外の侵入は不法行為となります。必ず公式ツアーに参加してください。

階段を上った先は天井になっている
上へ伸びて途中で途切れる階段。霊を惑わせるための設計という説も語られる。
扉を開けた先には、

ウィンチェスター・ミステリー・ハウスは、サラ・ウィンチェスターの36年間に及ぶ建築狂想から生まれた迷宮邸宅です。不可解な構造、地震による崩落、降霊術の伝説が重なり、今日も世界的に有名な心霊スポットとして語られ続けています。観光地としても人気が高く、心霊体験を求める人、建築の歴史を学びたい人、どちらにとっても魅力ある場所です。

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